占い師にも祝日はある。
ごくごく個人的な、祝いの一日。
故郷の老母と電話で話すと、もう何十年も前になる息子の結婚式のビデオを久しぶりに見たという。
そんなもの、息子だって見たことないのに。
そもそもビデオデッキ自体、家になくなってからもうかなりになる。
「みんな死んじゃったんだよね、あらためて見ると」
母はそう言って、ビデオの中では笑っているのに、すでにこの世にはない人々を片っ端からあげた。
相当な数。
月日の流れは残酷だ。
そしてやがて、母も私も、そんな風に言われる人間のひとりになっていく。
だからこそ、今というときのかけがえのなさをあらためて思う。
今を生きる。
会える人とは、また来世で会える。
私の魂が会う必要があった人たちとは、今、縁を結んでいる。
過去世でと同様に、かもしれない。
そして、これからも、きっと結ぶ。
ご縁のすべてに心から感謝したい、ささやかな祝日。
コメント